【#119】学生学科合格者へインタビュー。建築学生の資格とキャリア<前編>【院生の1級建築士受験】

【#119】学生学科合格者へインタビュー。建築学生の資格とキャリア<前編>【院生の1級建築士受験】

平成30年、建築士法が改正。令和2年の一級建築士試験から実務経験が不要となりました。

この出来事で大きく影響を受けたのは建築学生たちです。なぜなら、社会人で取るものと思っていた一級建築士の合格が在学中に可能となってしまったから。学業との両立は?、就活への有利性は?といった疑問が生まれました。

そこで私は、昨年度いち早く学科試験に合格された学生インタビューを行い、学生の疑問の解消を試みました。

   

 

※ インタビューの前に、建築士法改正について知りたいという方はこちらを参照ください。

 

 

 

学生学科合格者が語る、建築学生の資格とキャリア

【#119】学生学科合格者へインタビュー。建築学生の資格とキャリア<前編>【院生の1級建築士受験】

 

私は「大学院生の1級建築士受験」がテーマのブログの執筆者、そして令和3年度の受験生として、前年度に学生学科試験に合格されたGnu(ぬー)さんへZoomでインタビューする機会をいただきました。

 

インタビューのテーマは、「建築学生の資格とキャリア」

 

法改正で一級建築士合格が学生のうちから可能となった私たちの世代。情報が錯綜する時代ということも相まって、進路への悩みが一層尽きなくなった方も多いかと思われます。

これからの建築学生は、資格やキャリアとどう向き合っていくべきなのでしょうか。

 

さて、Gnuさんは受験が可能となった初年度に学科合格されました。その後の就職活動では3月というかなり早期に内々定。何も前例の無かった時代から、これからの建築学生が直面する疑問へ当事者として向き合った方といえます。

 

前編では下記の質問に対して、Gnuさんにお答えいただいた内容をまとめています。

  • 学生で受験を決めたきっかけは?
  • 院試の勉強は役に立つか?
  • 卒論と並行して勉強できたか?
  • M1で落ちたら、M2で再挑戦していたか?
  • 受験を検討中の学生がやっておくべきことは?

 

 

友人への「負けてたまるか!」が、受験のモチベーションだった

学生で一級建築士を受験しようと決めたきっかけは?

 

Gnu : こんにちは!

 

(Zoomの黒い画面越しでも覇気の伝わる声で、Gnuさんから挨拶をくださいました。)

――こんにちは、Gnuさん。本日はよろしくお願いします。

Gnu : よろしくお願いします。

――学生で一級建築士試験を受験されたきっかけは何だったのでしょうか?

Gnu : 友人から一緒にやってみない?とLINEが来たことがきっかけです。

受験前年の9月にその連絡が来たんですが、私は10月まで実験で忙しくて(当初は)まさか自分が本当に受けるとは考えておらず、そこまで本腰を入れることはできていなかったですね。

ただ、友人とテキストを共有して、週に1回くらい会って進捗を確認するという形で勉強を始めたのですが、その時に、私が実験で勉強していない時期から友人の進捗具合はすごかったんです。そこで「負けてたまるか!」となる性格だったというのもあって、10月以降私のモチベーションも高くなったのかな、と思います。

――友人からお誘いが来たとのことですが、Gnuさんの大学で法改正は話題になっていたのでしょうか?

Gnu : あんまり周りは関心がなかったように思いました。

私の学科はだいたい80人いるのですが、アンテナをはって法改正に気づいていた人は少なくて、実際に受けたのは私を含め3人。だいぶ珍しい側にいましたね。

――そこで二級建築士試験の受験は検討されなかったのですか?

Gnu : 実際、検討しました。でも当時は一級をなめていたというか(笑)

ちょうど8月に院試を経験して手ごたえがあって、その勢いで一級もいけるんだろうなという軽いノリでした。二級のことは友人とも少し話題になったんです。でも、大手のゼネコンで設計職をやるなら将来的に必然ということで、折角なら一級建築士を取ろうという話になりました。

 

学科試験で役立ったのは、院試の勉強で得た基礎的な知識

院試の勉強は一級建築士の学科試験に役立つ?

 

――大学院入試の勉強と学科試験の内容は関連していましたか?

Gnu : 大学院の試験は大学院によってさまざまだと思います。なので、私の大学の経験として言わせていただくと、ためにはなりました。どんなことでためになったかというと、例えばほら、環境で光の単位とかありますよね。

――えーっと、lxとか?(たじろぐ建築環境系)

Gnu : そうそう。lx(照度の単位)などの細かいルールとか、基礎的なことが院試で勉強できたなと思っていて。一級建築士に取り組むにあたって取っつきやすくなったという感じです。

ただ、院試が終わった直後に総合資格学院のモニター試験(※)で2019年の学科試験を受けたんですけど、23/125点ぐらいでした。結果から分かるように、そこまで…(関連はない)。院試の勉強をめちゃくちゃして手ごたえのあった私でも、23、4点くらいしかとれなかったという状態でしたね。

 

※ モニター試験… 一級建築士試験の過去問題を解くアルバイト

 

卒業論文の執筆と並行して、一級建築士の勉強も3~4時間

卒論と並行して一級建築士の勉強は可能か?

 

――勉強を4年生の9月から始められたということは、ちょうど卒業論文を書く時期ともかぶりますよね。並行して勉強は可能でしたか?

Gnu : できたのかなあ…。

私の場合は結構特殊で、実験と並行してデータ整理を行っておりまして、実験が終わった10月の時点でだいたい論文に載せるデータは出来上がっていました。あとは、そのデータを論文にするための構成を考えるだけで(卒論の)作業としては終了でした。

なので、勉強を始めた10月からは卒業論文へ本腰を入れるというのはあまりなくて、そのまますんなりいけました。ただ、友人のほうは結構ヒーヒー言っていたイメージがあったので、本当にこれは私の場合なんですけど。私はそこまで卒業論文が負担に感じることはなかったです。

――Gnuさんはまだお時間に余裕があったんですね。並行していた時期で、1日にそれぞれどのくらいお時間を割くことができましたか?

Gnu : 卒論に1日3~4時間、建築士の勉強も3~4時間くらいでした。

一応、(一級建築士は)朝の部と夜の部を分けて勉強していました。朝9時から11時の2時間を朝勉の時間、それから身支度や食事を済ませて、13時くらいから大学へ行って夕方6時まで論文執筆に専念する時間にして、18時以降を夜の部として一級建築士の勉強をするようにしていました。

――お忙しい卒論の時期でも、3~4時間建築士の勉強ができていた。

Gnu : そうですね。ただ、自分でも卒業論文へもうちょっと力を入れたほうがいいんじゃないかなあという葛藤がある中、結構勉強に注力しちゃっていたという自覚はあったので、私のスケジュールを参考にしていいのかは人それぞれです。1つの例としてお願いします。

 

もしM1で落ちていたら、M2で学科だけ受験していたと思う

M2で一級建築士学科試験に再挑戦は可能か?

 

――院1年生で受験されたとのことですが、もし学科試験が不合格だった場合、就活や研究がある2年生で再び受験できる状況でしたか?

Gnu : もしM1で落ちていたら、M2で学科試験だけ受験していたと思います。

理由としては、建築学生の就活が一般的なものと比べて早いということがあります。一般的に6月から内定が出始めるのが就活なんですが、早期選考といって、私の同期では去年(修士1年)の12月から内定が出ている人もいました。私自身も3月に内々定をいただきました。

私の手ごたえとしては、1年目(M1)の学習でやりきるところまでやれました。3月から学科試験の7月までの4か月で合格はできるなという(自信が)あったので、学科はM2でも受けるつもりでした。

――その後、製図は受験しない。

Gnu : そうですね。製図に関してはキツいかなと思います。

私の研究室の優秀な先輩も学科試験に合格されたんですが、その先輩でも製図は通らなかったです。学科が終わった後の短期的な3か月の製図の合格は、私の能力で修論と並行しながらはキツいかなと思います。

なので、長期的に製図の講座とかを受けて仕上がった状態で製図試験に向かうのがいいかなあと思いました。特に、私は学科と製図の勉強を同時にやることが難しかった、というのもあります。

 

「優先順位」を明確にしておくと、何かで迷っても葛藤しない

一級建築士受験を検討中の学部生がやるべきことは?

 

――院生で一級建築士の受験を検討している場合、学部生のうちにやっておくべきことは何でしょうか?

Gnu : 私が意識していたことでいうと、優先順位を間違わないことですね。

当時は研究が一番優先順位が高くて、その次に一級建築士、その次に大学院の授業、その次にプライベート、と優先順位を明確にして生活していました。

――大学院の授業よりも一級建築士のほうが優先順位が高かった。

Gnu : はい。人それぞれかと思いますが、私にとって大学院の授業より一級建築士の優先順位が高かったです。

私は構造系の研究室に所属しているので構造系の授業は一級建築士よりも優先順位が高かったんですが、その他の計画や環境とかは単位が取れればいいやというスタンスでした。そこまで手一杯にやってしまうと一級の勉強ができないなと感じてしまったので、構造以外に関しては優先順位低くやっていましたね。

優先順位を自分の中でちゃんと決めておくと、何かで迷ったとき、たとえば勉強か大学院の授業かで迷ったときに、葛藤せずに気分がすっきりした状況で勉強できます。そういった心の準備は必要かなと思います。

――ありがとうございました。次は、実際に受験を決めた方に役立つ質問です。

>>後編【#120】へ続く

 

 

 

Gnuさんのブログもご覧ください

 

最後にお知らせです。

インタビューにお答えいただいたGnuさん学生の一級建築士受験をテーマにしたブログをはじめられました。

 

前例の少ない学生の学科合格者の生の声は、受験生にとって何にも代えがたいコンテンツ。

インタビューにないGnuさんの新たな一面も見られると思うので、ぜひ下記のリンクから読んでみてください。

 

Gnuさんのブログはこちらから

 

 

次回予告

次回【#120】は、『学生学科合格者へインタビュー。建築学生の資格とキャリア<後編>』をお送りします。お楽しみに。

 

 

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