【#124】2030年、建設業界はこの分野が伸びる!? 就活生がブルーオーシャンを調査【院生の1級建築士受験】

【#124】2030年、建設業はこの分野が伸びる!? 就活生がブルーオーシャンを調査【院生の1級建築士受験】

――あなたのビジョンは何ですか?

就活で聞かれそうなこの質問に答えたい一心で、最近の私は建設業界の展望にアンテナを張って過ごしてきました。

今回の記事はその総集編。2030年までの建設業界で伸びるであろう分野、いわばブルーオーシャンについてまとめましたので、就活生問わず参考にしてください。

   

 

まず、簡単に自己紹介します。

私は地方の国公立大学で建築を学ぶ修士1年生。2021年一級建築士試験受験します。詳しい自己紹介はこちらの記事(クリックで開く)から。

 

2021年6月・第2週の作業振り返り

6月6日
6月7日
6月8日13年構造・施工(55問)演習・復習第4周目
6月9日19年法規(30問)演習・復習第5週目
6月10日20年計画・環境(40問)演習・復習第3周目
6月11日19年計画・環境(40問)演習・復習第3周目
6月12日12年構造・施工(55問)演習・復習第4周目

消化率100%といきませんでしたが、他のタスクとの兼ね合いはうまくいっているように思います。

それでは今日も一日、ご安全に。

 

 

日経BP「ビジネスを変える100のブルーオーシャン」建設関連を紹介

 

先日、日経BP総研さんの「ビジネスを変える100のブルーオーシャン」を読みました。

この書籍は「ブルー・オーシャン戦略」(W・チャン・キムほか)という別の書籍で定義された、ブルーオーシャンな分野を日経BP総研が2030年に照準を定めて独自に予測したものです。

 

「ブルー・オーシャン戦略」も読んだことがある私が説明すると、ブルーオーシャンとは顧客が望んでいる一方でまだ提供されていない価値のこと。

この本では、2030年までにその価値に基づいて拡大していくビジネスを100挙げています。

 

 

さて、本記事では建設業界に関連するブルーオーシャンを紹介します。

私自身が建設業界を視野に入れて就職活動を行っているということもありますが、世間でも何かと将来性に不安があるという意見の多い業界だからです。

 

書籍中に「建設業界」というくくりはありませんでしたが、私の独断で建設業界(広義)と関わっていそうな項目を抜粋すると、下記の11になりました。

 

  • 042 働き方改革
  • 054 新しい働き方を実現する住宅
  • 061 エリア情報マネジメント
  • 073 まちたたみコンサルティング
  • 074 スモールコンセッション
  • 075 中大規模木造建築
  • 076 賃貸住宅修繕一括受託
  • 084 再生可能エネルギー
  • 086 VPP(仮想発電所)
  • 088 次世代太陽光パネル
  • 089 建材一体型太陽光パネル

   

 

個々の詳細は実際に書籍をお読みいただいた方が分かると思いますので、本記事はレビューを中心にします。レビューでは11の項目の背景にある5つのトレンドに分類した考察を行いました。

 

  1. 働き方改革
  2. DX
  3. 過疎化
  4. 木造
  5. 脱炭素化

 

それぞれについて、建設業との関連をご説明していきます。

 

 

「ビジネスを変える100のブルーオーシャン」の書籍情報はこちら

 

 

「働き方改革」と建設業界

1つ目のトレンドは、働き方改革です。

「100のブルーオーシャン」では、下2つの項目が該当すると考えました。

 

  • 042 働き方改革
  • 054 新しい働き方を実現する住宅

  

建設業界の042 働き方改革といえば、何といっても2024年の改正労働基準法の適用の影響が大きいと考えます。時間外労働の規制が厳しくなるため、2030年どころか今が動かざるを得ない時期とも言えるでしょう。

同著には働き方改革にはどの業界もITの利用が必須とあります。建設もご多分に漏れず、建設テックと呼ばれる技術がゼネコン等で普及し始めています。

建設テックはブルーオーシャンだと私も考えますが、詳しくは次章「DX」で述べます。

 

改正労働基準法の適用についてはこの記事をご覧ください

 

 

また、働き方改革を異なる角度から実現する方法もあります。

それは、在宅ワークの増加に伴って普及する054 新しい働き方を実現する住宅です。在宅ワーク用の住宅はオフィス機能を有し、IoT防犯技術がこれまでの住宅以上に活用されるという特徴があります。

例えばハウスメーカー・オープンハウスでは、このようなプランが用意されています。

 

さらに、驚いたのは書籍の出版年が感染症流行前の2019年ということ。すでにテレワークの潮流を読んでいたというのは、書籍自体の信ぴょう性が増しそうです。

 

 

「DX」と建設業界

2つ目のトレンドは、DX(デジタルトランスフォーメーション)です。

「100のブルーオーシャン」では、下の項目が該当すると考えました。

 

  • 061 エリア情報マネジメント

 

都市への人口集中は世界的な傾向であるため、都市を効率的に管理する061 エリア情報マネジメントの需要が高まっています。

このサービスでは、エリアで活動する人々や交通、エネルギー等のデータを集めて分析することで、それらを円滑に最適化することができます。

現在の取り組みで近いのは、トヨタのウーブンシティではないでしょうか。詳しくは公式サイトで説明されています。

 

 

また、「100のブルーオーシャン」ではありませんでしたが、建設業界のDXといえばBIM/CIMをはじめとする建設テックの波がこれから来ると思います。

前章の働き方改革を実現するための手段として、現場が今変革の時にあるということを過去に日経BP「建設DX」という書籍で学んだので、そのレビュー記事も紹介します。

 

日経BP「建設DX」の書籍レビュー

 

 

「過疎化」と建設業界

3つ目のトレンドは、過疎化です。

「100のブルーオーシャン」では、下3つの項目が該当すると考えました。

 

  • 073 まちたたみコンサルティング
  • 074 スモールコンセッション
  • 076 賃貸住宅修繕一括受託

 

過疎化はわが国の人口減少・少子高齢化に伴って進行する喫緊の課題で、特に地方では共同体の機能を維持できない限界集落も出てきております。

 

073 まちたたみコンサルティングはあえてそういった地域を「非居住地域」とみなし、住民が居住地域にっ引っ越すことをサポートする一連の業務を担う職業です。コンパクトシティを作ると言えば、イメージしやすいですね。

別の働きかけ方として、074 スモールコンセッションがあります。人口20万人未満の自治体の民間企業に自治体の施設や設備の利用権を与えて新規事業を促し、その成長によって地方を活性化する事業です。

ここまでの内容は建設業にとどまらない、まちづくりとして官民連携で行う事業者が増えていきそうです。

 

また、地方のみならず都心部の課題でもある空き家問題の解決にも需要があります。076 賃貸住宅修繕一括受託では老朽化したアパートの修繕がIT等を活用して効率化されていくと予想されています。

 

 

「木造」と建設業界

4つ目のトレンドは、木造です。

「100のブルーオーシャン」では、下の項目が該当すると考えました。

 

  • 075 中大規模木造建築

 

CLTといった木質構造材料の技術の発展、炭素を固定できるという環境問題対策、エコロジーに貢献しているという利用者の満足感など、多角的に見てメリットがあることから、075 中大規模木造建築の市場が成長すると言われています。

インパクトのあるプロジェクトとしては、日建設計と住友林業の木造超高層建築・W350が挙げられますね。住友林業のホームページに詳細が掲載されています。

 

CLTのメリットに関して、私も記事を書いたことがあります。

 

一方で、2021年に話題となっているのが第3次ウッドショックです。ウッドショック自体についてはこのサイトの説明が分かりやすかったのですが、問題はもちろん中大規模木造建築にも影響します。

木造が6割を占める住宅の着工数が減少しているのと同様に、それ以上に木材を使用する中大規模木造建築も着工できない状況が増えると懸念されています。期待が大きいだけに、今後の動向へ注目したいところです。

  

 

「脱炭素化」と建設業界

5つ目のトレンドは、脱炭素化です。

「100のブルーオーシャン」では、下4つの項目が該当すると考えました。

 

  • 084 再生可能エネルギー
  • 086 VPP(仮想発電所)
  • 088 次世代太陽光パネル
  • 089 建材一体型太陽光パネル

 

何といっても、昨年10月の菅総理による所信表明演説がこのトレンドを加速させるでしょう。総理は日本は2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しました。

建設業界では設計・施工段階でのCO₂削減が目標として掲げられている上に(建設業連合会より)、それよりライフサイクルでみた場合の排出量が多い、運用段階の削減目標も掲げられています。

 

一方、上記のような建設業そのもののブルーオーシャンは書籍上に少なかったため、084 再生可能エネルギー中心の内容を紹介します。

ゼネコンでも設計・施工・運用段階のCO₂削減と同列に、エネルギーを創ることへ注力しています。例えば、太陽光発電や風力発電のプラント建設であったり、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)での「創エネ」です。

ゼネコンやエンジニアリング会社も参入しており、鹿島建設日揮の例が有名だと思いました。

 

 

そして、需要がある場所で発電を行うために必要なのが、086 VPP(仮想発電所)です。

屋根にソーラーパネルが載った住宅も今では珍しくなくなりました。あのようなパネルで発電したエネルギーをネットワーク化し仮想的に1発電所として運営するのがVPPで、電力自由化などの影響を受けて今後の拡大が考えられます。

普及すれば、建設業界でも088 次世代太陽光パネル089 建材一体型太陽光パネルといったソーラーパネルの設置・張り替え工事の需要増も後押しされると考えられます。

 

 

まとめ

まとめとしてまず述べたいのが、それぞれのブルーオーシャンは海のようにつながっているということです。

例えば、働き方改革や過疎化問題の解決としてDXがあったり、脱炭素化を目指すための木造の普及であったりという解釈ができます。今後何らかのブルーオーシャンの仕事に就くにしても、市場を俯瞰した視点が必要だと感じさせられました。

 

もう一つ述べておきたいのは、「100のブルーオーシャン」はユニークな書籍ですが、鵜呑みにするものではないということです。進路選択に活かそうと手に取った身という経緯もあり、同著のようなオムニバス式の情報は背景や実態へ目を向けてこそ活かせるものだと改めて思いました。

それは今回の私の記事も然りですので、建設業界の将来を考える方々の「きっかけ」となれば幸いです。

 

次回予告

次回【#125】は、『3,000円のTAC法令集をたった100円で守る方法』をお送りします。お楽しみに。

 

 

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